長所を伸ばす or 短所を克服する?

オシムの本を読んだ後に、NUMBER 727を読んだら、大久保嘉人がインタビューに答えていた。

冒頭での彼の叫びは

「俺だってFWをやりたいよ。」

彼は今ドイツに行ってて、らしくないプレーをしているそうだ。彼らしいプレーというのはアグレッシグなプレー。点を取るプレー。今はそれができていないようだ。

「俺。ゴールしか頭にないけん」。それがスペイン時代の彼の口癖だった。
「ゴールが自信になり、その自信で成長する」という彼なりの単純な数式で、彼は恐れられる選手になった。
ところが、スペインから日本に戻り、2007年から神戸でプレーするようになってからだ。
彼は左MFに転進する。
あまりにつながらない中盤に苛立ちを隠せず、「俺が左サイドをやりましょうか?」
と自ら監督に進言した。それでボールはつながり始め、チームは軌道に乗った。

「大久保、左MFで新境地を開拓」とマスコミは騒いだ。
彼本人も、「アシストもゴールもできる」と語った。選手として幅を広げたことを好意的に捉えた。

その結果、代表でも左MFで起用されることになった。

しかし、彼は根っからの点取りやのはずだ。
ストライカーとは、何か。
いつも直感で言葉を返す男が黙りこくり、「なんやろ」としばらく考え込んで答えは出てこなかった。

なんかすごく共感してしまって引用してしまった。
器用に無難に、組織の最適化を考えると、こういうことが起きるのかな。
自己を犠牲にしても、グループや組織に貢献するのは日本の美しさだ。

でも、なんかしっくりこないわけですよ。

人のため、組織のためという自己犠牲精神は、ドライな社会では損なんかな。それとも、こういうことをクリアして、視野が広くなり、幅がでるのかな。