ボランティアって何だろう。カンボジアのプノンペン託児所訪問

カンボジア旅行記は以下に移動しました。

カンボジアで1日だけのボランティア体験記

一緒にポッドキャストをしている山下さんのお母さんはカンボジアでボランティアをしている。前々からその話は聞いていたので、その託児所に訪れてみようと思った。山下さんに相談したところ、彼のお母さんも是非現実を見て来いと言っていたと聞いて、ボクは即決した。

行く際に4つのミッション

  • 子供たちにお菓子を買う
  • 託児所に建設中の食堂の写真を撮る
  • 託児所の子供で個人写真がない子の写真を撮る
  • 現地で作ったモノを日本に持って帰る

時間がなく、適当に安いツアーに申し込んじゃったから日程に問題があった。
託児所があるのは首都のプノンペン。僕が行くのはアンコールワットがあるシュリムアップという場所。

アンコールワットがあるシェリムアップから首都プノンペンへは長距離バスで5時間かかる。
昔はひどい道で、50cmぐらい飛び跳ねたりするものだから、一睡もできず大変な移動だったようだ。
友人いわく、しゃべってたら舌を噛みます。とのこと。
たぶん、8年ぐらい前かな。ネットで検索すると、当時の大変な様子がたくさん出てくる。

今では道路も整備されて、かなりよくなってる。だから5時間でいける。
しかし、短い旅行なので時間は貴重。今回は日帰りで飛行機で行くことにした。片道1時間弱で1万円ぐらい。

この移動費は寄付したほうが絶対いいと思いながら、自分で見てみたくてプノンペンへ行った。

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朝6時にトゥクトゥクで空港に向かう。カンボジアの人はみな早起きだ。

2009年5月9日朝9時にプノンペンに着くと、託児所のオーナーのヒイさんが迎えに来てくれた。
今日は土曜日。だから託児所には子供はいない。これも失敗の1つだ。平日に来るべきだったが曜日感覚がなかった。
しかし、今日は日本からお菓子が届く特別な日ということで、噂が噂を呼び、お昼から子供達がスタンバイしてるそうだ。

今は託児所には45人の子供がいる。基本的に6歳までとしているそうだが、卒業しても学校の合間に遊びに来る子もいるそうだ。だから卒業生も入れると100人ぐらいの子供がいる。そう、今日は100人の子供が待っているのだ。日本人を待っているのではない。お菓子を待っているのだ。こっちでは米を食べるのが精一杯。甘いお菓子なんか食べられない。

市場にお菓子を買う前に、ポルポトが大量に人を殺したキリング・フィールドに行った。

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ポルポトによってたくさんの人が殺された場所。人は少なかった。
ヒイさんはポルポト時代をカンボジアで過ごし、その後、日本に住んでいた。3年前からプノンペンに住んでいる。

ポルポトは昔は悪い人だと思っていたが、今ではいい人だったのではないかと思う、とヒイさんは言っていた。すごい不思議。周りの人もたくさん殺されただろうに、なぜそう思うのだろうか。

彼女いわく、なぜポルポトが大量に人を殺したが分からないが、みんなから奪った金品もしっかり管理していた。盗んでいたのはベトナム人。何か意図があったんだと思う、と。

これは情報操作なのかなんなのか全く分からないが、興味深い。
そういう風に考えている人が増えてきてるのか。と聞くと、年配の人にはこういう意見が増えてきてるらしい。確かにベトナムカンボジアには壁を感じる。人はどちらもいい人だけど、なんか違う。戦争のせいだろうか。日本と中国みたいな感じなのかも。

キリング・フィールドの後に、子供達にお菓子を買うために市場に行った。お菓子屋のオヤジもご機嫌だった。これって金をばら撒いてるように見えるのかな。とちょっと複雑な気持ち。

100円相当のお菓子を100人分買って、分けるために、100枚のビニール袋も買った。物価は日本の1/7ぐらいかな。みんなでお菓子を検討中。

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荷物を車に積み込む。ダンボール6、7つ分だった。無理やり車に詰め込む。

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ほんで、市場でご飯。1人だいたい1ドル。なかなかうまい。

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ご飯を食べたあとに、ヒイさんの家で少し休憩。

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ちなみに、このミシンでカンボジアでいろいろと作ろうとしてるらしい。

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ヒイさんの家のミッキー。ちょっと驚かしたら嫌われた。めちゃめちゃ吠えられた。
その後、託児所へ移動。そこには待ち構えた子供達が。

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ボクはここに来たのは完全に冷やかしだ。お菓子をばら撒き、写真を撮る。どう思われているのだろう。そんなことを考えながら、お菓子を並べる。

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ボランティアにはネガティブなイメージがある。里親になるために、顔を見て子供を選ぶことなんかできない。しかし、ここに来て、この状況を前にすると、何かしてあげたくなった。

嬉しそうな子供たち。子供たちはここではあまりお菓子を食べない。家に帰って家族と食べるのだ。お菓子は贅沢品。お菓子をもらってみんなご機嫌。

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両手を合わせて、ありがとう。と言う子供がカワイイ。ヨシ写真を撮ってくれ。という子もいる。
そんな感じでしばらくワイワイやった後、みんなは帰っていった。家族へのお土産を持って。

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託児所には食堂を建設中
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ヒイさんが15年前に100万で買った土地は気づけば20倍ぐらいになってたそうだ。
だから、要らない土地は安く譲って、残った土地に300万で託児所を作った。

プノンペンの外れのこの土地では、人々の生活はかなり厳しい。3畳ぐらいのスペースに4人ぐらい住んでいるケースが多く、シャワーもトイレももちろんない。
下水の川の上に住んでいたりする。生ごみの異臭が漂う。たまに子供が流れて亡くなってしまうらしい。

ヒイさんは子供達からお金は取っていない。単に広い場所を提供してるだけ。公園のようなものだ。古い滑り台や砂場には近所の子が勝手に入って遊んでいる。

子供達に勉強を教える先生が3人いる。先生の給与が3人で年間30万。このお金だけはなんとかしないと施設を維持できない。空き部屋は学生に安く貸してる。その代わり、託児所の手伝いをしてもらっている。
今までは政府機関のボランティア団体の日本国際救援行動委員会(JIRAC)が金銭的な援助してくれてた。しかし、その援助は2010年に終わるそうだ。あと1年。

いろいろ考えさせられる1日だった。ボランティアって一体何なんだろう。
しかし、悲しいが日本での忙しい日々はこういう気持ちも風化させるんだろう。